「棚卸が面倒で、つい後回しになる」「数えるだけで半日つぶれる」——個人経営の飲食店なら、誰もが一度はぶつかる悩みです。でも棚卸をやめると、原価率が分からない=利益がどこで漏れているか分からないまま経営することになります。
この記事では、棚卸を月1時間で終わらせるための具体的な手順と、そのまま使えるテンプレートの作り方を紹介します。
そもそも棚卸はなぜ必要なのか
棚卸とは、ある時点で手元に残っている食材・ドリンクの数量と金額を数えることです。これが分かると、次の式で「実際に使った原価」が計算できます。
売上原価 = 期首在庫(前回の棚卸額)+ 当期仕入(今月の仕入合計)− 期末在庫(今回の棚卸額)
この売上原価を売上で割れば原価率が出ます。つまり棚卸は「どんぶり勘定」を「数字で見える経営」に変える出発点です。
なぜ棚卸に時間がかかるのか(よくある3つの失敗)
- 数える順番がバラバラ … 冷蔵庫→倉庫→また冷蔵庫、と行ったり来たりして二度手間。
- 単価をその場で調べている … 「この油いくらだっけ?」と毎回伝票を探す。
- 紙に書いて後で電卓 … 転記ミス・計算ミスで、やり直しが発生。
裏を返せば、この3つを潰すだけで棚卸は劇的に速くなります。
棚卸を月1時間で終わらせる5ステップ
ステップ1:数える「ルート」を固定する
店内を回る順番を毎回同じにします(例:ドリンク冷蔵庫→食材冷蔵庫→冷凍庫→乾物棚→調味料)。リストもこの順番で並べておくと、行ったり来たりが消えます。
ステップ2:棚卸リストを「単価入り」で用意する
食材名・単位・単価をあらかじめ記入しておきます。当日は「数量」を入れるだけにするのがコツ。単価を毎回調べないだけで時間は半分になります。
ステップ3:月1回・締め日を固定する
「毎月末の閉店後」など曜日・時間を固定。習慣化すると“気が向いたらやる”がなくなり、データも比較できます。
ステップ4:2人なら「読み上げ係」と「入力係」に分ける
1人が数えて読み上げ、もう1人が入力。会話しながら進むのでミスも減ります。
ステップ5:その場で原価率まで出す
帰宅後にまとめてではなく、入力と同時に合計が出る形にしておけば、棚卸=原価チェックが一度で完了します。
そのまま使える棚卸テンプレート(エクセル)
最低限、この列があれば棚卸表になります。
| 食材名 | 保管場所 | 単位 | 単価(円) | 数量 | 金額(=単価×数量) |
|---|---|---|---|---|---|
| 生ビール樽 | ドリンク冷蔵庫 | 本 | 12,000 | 2 | 24,000 |
| 鶏もも肉 | 食材冷蔵庫 | kg | 780 | 5 | 3,900 |
| サラダ油 | 乾物棚 | 缶 | 2,800 | 3 | 8,400 |
| … | … | … | … | … | … |
| 合計 | 期末在庫額 |
- 「保管場所」でステップ1のルート順に並べ替え。
- 「金額」列は
=単価×数量の数式に。 - 合計セルが、そのまま上の式の 期末在庫 になります。
それでも残る「3つの手間」
テンプレで速くはなります。ただし手作業には限界があり、こんな手間が残ります。
- 当期仕入の集計 … 仕入伝票を1ヶ月分かき集めて合計する作業が地味に重い。
- 単価の更新 … 仕入価格が上がるたびにテンプレの単価を直す必要がある。
- 原価率の振り返り … 先月と比べてどうか、を毎回手で計算するのは続かない。
ここが「棚卸が続かない」本当の理由です。
仕入の記録から原価率まで自動でつなげる方法
仕入を記録する時点でデジタル化しておけば、棚卸→原価率までが一本でつながります。
飲食店向けの在庫・原価管理クラウド YUNARI STOCK は、
- 仕入伝票をスマホで撮るだけでOCR入庫(画像は端末内で処理し、サーバーに送りません)
- 棚卸は実数を入力するだけで、期首+仕入−期末から原価率を自動算出
- 棚卸表・発注書・原価レポートはPDF、データはCSVで出力
- POSレジや専用機器は不要。スマホ・PCのブラウザだけで使えます
「テンプレの単価更新」も「仕入の集計」も自動になるので、棚卸が本当に月1時間で終わり、続くようになります。
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まとめ
- 棚卸は「ルート固定・単価入りリスト・締め日固定」で月1時間に短縮できる
- 売上原価=期首+仕入−期末、原価率=売上原価÷売上高
- 仕入の記録をデジタル化すると、棚卸〜原価率が自動でつながり“続く”