飲食店の原価率の出し方と“下げ方”|「期首+仕入−期末」で迷わない

原材料の値上がりが続くいま、「原価率」を把握しているかどうかが、お店が残るかどうかを分けます。この記事では、原価率の正しい計算方法と、実際に下げる具体策を、個人飲食店でもすぐ使える形で解説します。

原価率とは

原価率とは、売上のうち食材原価が占める割合です。

原価率(%)= 売上原価 ÷ 売上高 × 100

一般に飲食店の原価率は30%前後が目安とされてきましたが、仕入価格の高騰でこの基準は崩れつつあります。大切なのは「世間の目安」より、自店の原価率を毎月把握して、推移を見ることです。

よくある間違い:「仕入額÷売上」は原価率ではない

「今月の仕入が30万、売上が100万だから原価率30%」——これは間違いです。仕入には“まだ使っていない在庫”が含まれるため、実際に使った分(売上原価)とはズレます。正しくは在庫の増減を反映させます。

売上原価 = 期首在庫 + 当期仕入 − 期末在庫

  • 期首在庫:前回の棚卸で残っていた金額
  • 当期仕入:今月仕入れた合計金額
  • 期末在庫:今回の棚卸で残っている金額

具体例で計算してみる

項目金額
期首在庫(先月末の棚卸)200,000円
当期仕入(今月の仕入合計)300,000円
期末在庫(今月末の棚卸)180,000円
売上原価(200,000+300,000−180,000)320,000円
売上高1,000,000円
原価率(320,000÷1,000,000)32.0%

仕入は30万でも、在庫が2万円分減っているので、実際に使った原価は32万。原価率は30%ではなく32%です。この差を見落とすと、利益計算が狂います。

原価率が高くなる主な原因

  1. 廃棄ロス … 賞味期限切れ・作りすぎ・仕込みすぎ。
  2. 歩留まりの悪さ … 過剰なカット・使い切れない食材。
  3. 発注のムダ … 在庫があるのに重複発注、安いからと買いすぎ。
  4. メニュー設計 … 原価の高いメニューばかり出ている。
  5. 仕入単価の上昇に気づいていない … 値上げ後の価格でレシピ原価を見直していない。

原価率を下げる具体策

1. 廃棄ロスを「見える化」する

何を・いつ・いくら捨てたかを記録するだけで、廃棄は減ります。賞味期限が近い在庫を先に使う(先入れ先出し)仕組みを作りましょう。

2. 発注点を決めておく

「これを下回ったら発注」というラインを食材ごとに決めると、買いすぎ・切らしの両方が減ります。

3. メニュー別の原価率を把握する

看板メニューの原価率が高すぎないか、価格改定や提供方法の見直しで調整します。

4. 仕入単価の変化を追う

値上がりした食材は、レシピ原価とメニュー価格を見直す。これを怠ると、知らないうちに原価率がじわじわ上がります。

毎月の原価率管理を“続ける”には

ここまでの計算と対策は、エクセルでもできます。ただし——

  • 毎月、仕入伝票を集計し
  • 棚卸額を入れて売上原価を計算し
  • 先月との差を振り返る

これを手作業で毎月続けるのは、現場が忙しいほど難しいのが現実です。

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まとめ

  • 原価率=売上原価÷売上高。売上原価=期首+仕入−期末(在庫の増減を必ず反映)
  • 「仕入÷売上」では正しい原価率は出ない
  • 下げ方は、廃棄ロス削減・発注点・メニュー別原価・仕入単価の追跡
  • 毎月続けるなら、仕入記録から原価率までの自動化が近道